目次
不安障害とは
不安障害は主に全般性不安障害(GAD)と社会不安障害(SAD)の2種類に分類されます。
全般性不安障害(GAD)
全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder:GAD)は、日常のさまざまな出来事に対して、漠然とした強い不安や心配が続く精神疾患です。
こうした不安は明確な理由がないまま長引くことが多く、6か月以上持続するのが特徴です。
社会不安障害(SAD)
社会不安障害(Social Anxiety Disorder:SAD)は、人前での発言や発表、注目を浴びる場面などで、過度の不安や恐怖を感じる精神疾患です。
評価される状況に直面すると強い緊張や不安が高まり、その苦痛を避けるために、社交の場や人付き合い自体を避ける行動がみられることがあります。
不安障害の症状
不安障害の主な特徴は次のとおりです。
・慢性的な不安症状:特定の状況に限らず、広い範囲で不安が持続する。
・過敏な反応:些細なことにも過度に反応し、心配や恐怖が強く出る。
・身体症状:動悸、息苦しさ、倦怠感、めまい、自律神経の乱れ、など。
症状の幅が広いため、重症化すると複数の症状が重なり、私生活や仕事に影響が及ぶことがあります。
不安障害の原因
主な原因として「環境要因」「遺伝的要因」「生まれながらの気質」が挙げられます。以下に詳しく説明します。
原因1. 環境要因
仕事や私生活の不安・プレッシャー、引っ越しや転職などの環境変化、騒音や気温・日照などの自然環境がストレスとなり、発症リスクを高めます。
とくに環境変化に伴う生活習慣の乱れは睡眠不足や体内時計の崩れを招き、症状を悪化させやすい要因です。
また、一つの強いストレスだけでなく、小さなストレスの積み重ねでも発症につながります。
原因2. 遺伝的要因
うつ病やパニック障害に関連する遺伝的素因が、全般性不安障害にも関与している可能性が示唆されています。
ただし、親が発症していても必ず子どもに発症するわけではありません。
原因3. 生まれながらの気質
神経質で不安を抱えやすい性格など、生来の気質が発症に関係するといわれます。
衝撃的な出来事や心配事が引き金となって、症状が前面化するケースもあります。
不安障害セルフチェック
全般性不安障害(GAD)
- 不眠の傾向がある
- 仕事や学業に強い不安を感じる
- 日常のさまざまな場面で常に不安がある
- 緊張感やそわそわした感覚が続く
- 集中力が落ち、意識がぼんやりする
- イライラしやすい
- 不安や心配のために普段の生活に支障が出ている
社会不安障害(SAD)
- 夜に自身の言動、行動を思い出し不安で眠れなくなる
- お腹の音を人に聞かれるのではないかと、過度に不安になる
- 他人から自分がどう見られているかを、常に気にしてしまう
- 人前に出ると体が固まったり、顔が赤くなったりする
- 自分のにおいが気になって仕方がない
- 人とどう関わればよいのか分からなくなることがある
- 人前で文字を書く・食事をするのが恥ずかしい
- 人前で電話をするのも目立ちそうで恥ずかしく感じる
症状が2つ以上当てはまり、半年以上続く、または生活に支障が出ている場合は、不安障害の可能性があります。