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うつ病(鬱)とは
うつ病(鬱)は、日本人の約15人に1人が罹るといわれている代表的な精神疾患です。
国立社会保障・人口問題研究所の2009年の調査では、自殺やうつ病に関連する経済的損失は約2.7兆円にものぼると報告されています。
うつ病は、決して特別な人だけがかかる病気ではなく、誰にでも起こりうる可能性があります。
うつ病(鬱)は気分障害の一つ
うつ病は「気分障害」に分類される精神疾患で、憂うつな気分が長期間続き、心や体にさまざまな不調をもたらします。
「やる気が出ない」「何をしても楽しくない」「眠っても疲れが取れない」といった状態が続き、日常生活に支障をきたすのが特徴です。
症状を我慢して放置すると、慢性化して回復までに長い時間を要することもあります。
うつ病は、早期発見・早期治療がとても重要です。
うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違い
うつ病と双極性障害(躁うつ病)は、似ているようで大きく異なります。
うつ病は「憂うつ」「不眠」「意欲の低下」などのうつ症状のみが続くのに対し、双極性障害は「うつ状態」と「躁状態」を交互に繰り返す病気です。
躁状態とは、気分が異常に高ぶり、活動的で多弁になったり、イライラや怒りっぽさが目立つ状態を指します。
この2つはしばしば混同されやすく、誤診されると治療が合わず症状を悪化させてしまうこともあります。
日本では、生涯に約15人に1人がうつ病を経験するとされており、決してまれな病気ではありません。
正確な診断と適切な治療のためには、経験豊富な医師のもとでの診療が欠かせません。
うつ病の症状
うつ病の症状は初期、中期、重度(末期)によって変化します。
うつ病の初期症状:眠れない、罪悪感、焦燥感、自信喪失などの気分の変化
気分が沈み、焦りや罪悪感を感じるなど、精神面の変化が現れます。
集中力の低下やぼんやりとした表情が増え、「以前と違う」と感じられるようになります。
うつ病中期(中等度)症状:朝に起きれない絶望感、動けないなどの日常への影響
朝に絶望感を感じて起きられない、ベッドから出られないといった症状が出始めます。
入浴・食事・会話などの行動も億劫になり、生活リズムが乱れ始めます。
見た目の変化(表情や清潔感)も目立つようになります。
うつ病の重度(末期)症状:自殺願望や自責感などの日常が送れない状況
重症化すると、強い自責感や無力感から自殺願望が生じることがあります。
家に引きこもりがちになり、孤立することでさらに悪循環に陥ります。
この段階では一人で抱え込まず、速やかに医療機関へ相談することが何より大切です。
うつ病セルフチェック
- 夜眠れない、あるいは寝過ぎる
- 十分に寝ても疲れが取れない
- 朝がつらく、仕事や学校を休みがちになった
- 気分が落ち込みがちでやる気が出ない
- 人との関わりを避けたくなった
- 集中できず、考えがまとまらない
- 食欲がなくなった、または食べ過ぎて体重が変化した
- 表情が乏しく、笑うことが減った
2つ以上当てはまり、2週間以上続く場合や生活に支障が出ている場合は、うつ病の可能性があります。