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睡眠障害とは
睡眠障害とは、睡眠に関わるさまざまな病気の総称です。主に「不眠症」「過眠症」「睡眠時随伴症」の3つに分類されます。
睡眠は、人が健康を維持するうえで欠かせない生理的な行為です。睡眠障害によって睡眠の質や量が低下すると、日常生活にさまざまな支障をきたす恐れがあります。
睡眠障害の種類1. 不眠症
睡眠障害の中で最も多いのが「不眠症（ふみんしょう）」です。
不眠症は、何らかの要因によって十分な睡眠時間が確保できず、仕事や学業、日常生活に影響を及ぼしている状態を指します。
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目覚めて再び眠れないなどといった症状が見られる場合、不眠症の可能性があります。
睡眠障害の種類2. 過眠症
過眠症（かみんしょう）は、日中に強い眠気が続き、通常の生活が妨げられる状態です。
夜間に十分な睡眠をとっているにもかかわらず居眠りをしてしまう場合や、慢性的な睡眠不足がないのに強い眠気が続く場合には注意が必要です。
重度の過眠症では、運転免許の取得が制限されるなど、社会生活に影響を及ぼすこともあります。
睡眠障害の種類3. 睡眠時随伴症
睡眠時随伴症（すいみんじずいはんしょう）は、睡眠中・入眠時・覚醒時に起こる異常な行動や体験を指します。
睡眠中に叫んだり泣き出したりする、寝床を離れて歩き回る、夢の内容に合わせて行動してしまうなどの症状がみられることがあります。
睡眠障害の原因
睡眠障害の原因は主に、「心理的要因」「身体的要因」「環境要因」「精神疾患の影響」、そして「更年期による要因」に分けられます。
原因1. 心理的要因
仕事や家庭での不安やプレッシャー、引っ越し・転職などの生活環境の変化、音や気温、光の影響といった外的要因によってストレスが生じ、睡眠に支障をきたすことがあります。
また、一つの大きなストレスだけでなく、複数の小さなストレスが重なることで発症する場合もあります。
このように、日常の些細なストレスでも睡眠障害を引き起こす要因となり得ます。
原因2. 身体的要因
身体的な不調が睡眠障害を引き起こすこともあります。たとえば、花粉症や喘息、蕁麻疹などのアレルギー症状、リウマチや骨折といった外傷などが挙げられます。
これらの身体的要因による睡眠障害は、原因となる症状への適切な治療によって改善することがあります。
原因3. 環境要因
環境要因による睡眠障害も少なくありません。薬の副作用、アルコールやカフェインの摂取による影響、さらには時差ボケや夜勤などによる生活リズムの乱れなどが原因となります。
体内時計が崩れることで、睡眠の質やリズムが乱れ、結果として睡眠障害が生じやすくなります。
原因4. 精神疾患の影響
うつ病や不安障害などの精神疾患の症状として、不眠などの睡眠障害が現れることがあります。
特に、慢性的な不眠や気分の落ち込みが続く場合には、背景に精神疾患が隠れていることもあるため、注意が必要です。
原因5. 更年期
睡眠障害は女性に多く見られ、特に更年期の女性では発症率が高まります。
女性はホルモンバランスの変化を受けやすく、生理周期や妊娠、出産、更年期などのライフステージごとに変動します。
とくに更年期には、エストロゲンやプロゲステロンの分泌が減少し、これが睡眠の質を低下させる主な原因とされています。
睡眠障害の症状
睡眠障害の主な症状は、「入眠障害」「中途覚醒」「早期覚醒」「熟眠感欠如」の4つに分類されます。
入眠障害｜30分経っても寝付けない
スマートフォンを触っていないのに、30分以上経っても眠れないなど、寝つきが極端に悪い場合は不眠症の可能性があります。
中途覚醒｜途中で目覚めて眠れない
夜中に尿意や寝苦しさなどで目が覚め、その後なかなか眠れない状態です。
途中で何度も目覚めることで、睡眠の総量が不足しやすくなります。
早期覚醒｜2時間程度予定より早く目覚める
予定よりも早く目が覚めてしまい、その後再び眠れない状態です。
結果として、睡眠の質・量がともに低下してしまいます。
熟眠感欠如｜寝てるのに眠い
十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、ぐっすり眠った感覚がなく、倦怠感や疲労感が残る状態です。
早寝などの自己対策では改善が難しいことが多く、医療機関での相談が望まれます。
睡眠障害セルフチェック
- ベッドに入っても寝つきが悪い
- 夜中に何度も目覚めてしまう
- 一度目覚めるとなかなか眠れない
- 日中に強い眠気を感じる
- しっかり寝ているのに疲れがなかなか取れない
- 眠気があり集中力が続かない
- 予定より何時間も早く目が覚める
- 朝にスッキリと起きられない
これらの症状が2つ以上あてはまり、2週間以上続く、または生活に支障が出ている場合には、睡眠障害の可能性があります。
気になる症状がある場合は、早期発見・早期治療のためにも医療機関への相談をおすすめします。