目次
CPAPとは?

CPAP(シーパップ)とは、「持続陽圧呼吸療法」のことで、Continuous Positive Airway Pressure の略です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に広く用いられている方法のひとつで、睡眠中に気道が塞がらないよう、空気を送り続けて気道を開いた状態に保ちます。
特に重度の無呼吸症候群の方にとっては、症状を改善し、日常生活の質を大きく向上させる治療法です。
なお、CPAP療法は1998年(平成10年)から健康保険の適用対象となっています。
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CPAP療法の歴史と発展
CPAP療法の歴史は1970年代に遡ります。当初は大きくて扱いにくい装置でしたが、技術の進歩に伴い、現在は軽量化され使いやすくなりました。これにより、より多くの患者様が自宅で治療を受けることが可能になりました。さらに、最近のデバイスにはスマート機能が搭載され、使用状況をモニターすることも可能です。
CPAP装置の仕組み
CPAP装置は、空気を送り込むホース、鼻や口に装着するマスク、そして空気圧を調整する本体から構成されています。これらの部品が一体となって、患者の気道に適切な圧力をかけ、気道を開いた状態に保ちます。医師の指導のもとで行われる圧力設定は、患者の個々の状態に合わせて調整され、最適な治療効果を発揮します。

CPAP療法のメリット
CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の治療において非常に効果的です。CPAP装置を装着することにより、患者様はより良い睡眠を得ることができ、睡眠の質だけでなく、生活の質の向上が期待できます。
1無呼吸の改善

CPAPの最大のメリットは、無呼吸状態を改善することです。これにより、患者様は深い睡眠を得ることができ、日中の眠気や集中力の低下を防ぐことができます。さらに、長期的には心血管疾患や他の健康リスクを低減する効果もあります。無呼吸の改善は、心身の健康を大きく向上させる要因となります。
2心身の健康の向上

CPAP療法を使用することで、睡眠の質が向上し、日中の活力が増します。これにより、仕事や日常生活におけるパフォーマンスが向上し、ストレスの軽減にもつながります。さらに、適切な睡眠は免疫機能を強化し、病気に対する抵抗力を高めることも期待できます。
3使いやすさと快適性

CPAP装置の取り扱いは簡単なものが多く、また最近では静音設計や湿度調整機能が搭載された最新モデルも登場しており、以前より快適に使用することが可能になりました。
CPAP療法を開始するには

CPAPを開始するには、まず睡眠時無呼吸症候群の検査を行う必要があります。
当院でも入院不要・ご自宅で検査を受けていただくことが可能ですので、お気軽にご相談ください。
CPAPの種類と選び方

CPAP装置にはさまざまな種類があり、軽量で持ち運びやすいタイプから、湿度調整機能や静音設計が施された多機能なものまであります。選択肢の多さは患者にとってメリットですが、適切な装置を選ぶためには医師の助言が不可欠です。個々のライフスタイルや症状に応じた最適なCPAPを選ぶことが重要です。
CPAPのマスクと特徴
CPAPのマスクにはネーザル・フルフェイス・ピローの3種類があり、骨格や症状に合わせて選択します。
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ネーザルタイプ
顔を覆う面積の少ない一番オーソドックスなタイプです。サイズもバリエーションが豊富です。
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フルフェイスタイプ
口と鼻の両方を覆うタイプです。鼻づまりが多い方はこちらのタイプを使用することが多いです。
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ピロータイプ
軽量かつ小型で装着しやすいのが特徴です。持ち運びしやすいという面もあります。
CPAP療法の費用
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易検査においてAHI(無呼吸低呼吸指数)が1時間で40回を超えている場合や、精密PSG検査で1時間に20回を超えている場合には健康保険が適応されます。 詳しくはクリニックでご説明いたしますので、まずはお気軽にご来院ください。
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CPAPに関するよくある質問
CPAPを使うことで、睡眠時無呼吸症候群は改善しますか?
CPAP療法は、睡眠中の無呼吸を防ぐ効果が期待できる治療法です。ただし、根本的に睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治すものではなく、あくまで症状を抑える対症療法となります。 たとえば眼鏡が視力を回復させるのではなく見え方をサポートするように、CPAPも病気そのものを治すのではなく、日常生活の質を保つための治療です。
CPAPの効果はどのくらいの期間で感じられますか?
使用初日から変化を実感される方もいらっしゃいますが、効果の感じ方には個人差があります。そのため、効果が現れる時期は人それぞれであり、一概にお伝えすることは難しい点をご理解ください。
CPAPを継続すれば、睡眠時無呼吸症候群は根本的に治療できますか?
CPAP療法は対症療法であり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を根本的に治す治療ではありません。 生活習慣の改善も重要ですが、必要に応じて医師の指導のもと、適切な治療を受けましょう。
鼻づまりがあるときでもCPAPは使用できますか?
鼻づまりの症状がある場合、CPAPの使用が難しいことがあります。使用前に、鼻の通りを改善できるかどうか医師にご相談ください。